『静けさと悲しみと』
カンチャナブリーは、旧日本軍が泰緬鉄道建設の際に、
多くの犠牲者を出した場所です。
建設に携わった捕虜は3万人以上、その他にアジアの多くの地域から、
労働者が投入されました。
その半数以上が、疫病や怪我などにより命を落としたと言われています。
その魂を鎮魂するため、市の中心部に連合軍共同墓地は作られました。
熱帯の花が咲き乱れる、とても綺麗に整備された墓地です。
青々とした芝生の上に見渡す限り墓石のがあり、
ここだけで6982人の連合軍兵士が眠っています。
(市内には共同墓地が他にもありますが、ここのが最大です)
墓石一つ一つには、氏名・死亡年月日・所属・親や配偶者の思いなどが
刻まれています。犠牲者の多くが、若い青年達です。
彼らは捕虜として強制労働に駆り出され、
青春を謳歌することなくこの地で命を落としていきました。
一つ一つの墓石を拝見させていただいていると、
突き抜ける青い空・周りを囲む原色の花々と相まって、
余計に悲しくなります。
しかし、残念な事に、埋葬されているのは犠牲者のごく一部です。
密林には、名前すら明らかになっていない多くのアジア人労働者が、
未だに埋葬されずに眠っています。
連合軍共同墓地には、戦後60年以上経った今でも、
多くの方々が献花に訪れています。日本と関係が深いこの場所。
日本人としては、なかなか足を向けたくない場所だとは思いますが、
カンチャナブリーに寄られた際には、是非訪れて欲しいと思います。
日本人であるからと自虐的な視点に立って見るのではなく、
史実を受け止め、過去から学び未来に活かしていくのが、
戦争を知らない私たちの役目だと思うからです。
連合軍共同墓地は、カンチャナブリー駅前の国道323号線にあり、
駅からほど近い場所にあります。ちょうど泰緬鉄道博物館の隣になります。
入場料は無料となってます。
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